• 検索結果がありません。

全データ CSR活動報告アーカイブ | CSR(環境・社会) | 三井化学株式会社

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "全データ CSR活動報告アーカイブ | CSR(環境・社会) | 三井化学株式会社"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

1CSRマネジメント 三井化学グループのCSR 、マネジメント体制

2レスポンシブル・ケア 三井化学のレスポンシブル・ケア方針、RC推進体制、労働安全衛生、 保安防災、環境保全、化学物質マネジメント、品質、物流

3社会とのコミュニケーション お客様とともに、取引先とともに、株主とともに、従業員とともに、 地域社会とともに、社会貢献活動

4社内外の声を活かします 『CSR報告書2012』アンケート集計結果、 『CSR活動報告2013』への第三者意見

社名 三井化学株式会社

本社 〒105-7117 東京都港区東新橋 一丁目5番2号 汐留シティセンター

代表取締役社長 田中 稔一

資本金 125,053百万円

従業員 連結:12,846人 (2013年3月31日現在)

会社概要 国内製造拠点 鹿島工場、市原工場(茂原分工場を含む)、

名古屋工場、大阪工場、岩国大竹工場 (徳山分工場を含む)、大牟田工場

研究所 袖ケ浦センター

国内販売拠点 本社、支店(名古屋、大阪、福岡)

海外事務所 北京

関係会社 連結子会社 国内:34社 海外:49社 持分法適用会社 国内:15社 海外:12社

三井化学グループの概要

三井化学グループの

CSR

活動報告

2013

について

三井化学グループのCSR活動報告は、2010年度からWebサイトを「本体」として網羅的かつ詳細な内容をご報告 し、冊子はWebサイトのポイントをまとめたダイジェスト版ではなく、ステークホルダーの皆様へ特にお伝えしたい内容 を中心に構成しています。2013年度もその方針を継続して編集しています。当社グループにおけるCSR活動報 告は、ステークホルダーの皆様との対話を図るために、CSRの3つの側面(経済・社会・環境)のうち、主に社会およ び環境に関する当社グループの取り組みを紹介しています(経済側面はアニュアルレポートをご覧ください)。

Webサイトでは、三井化学グループのCSR活動報告の“本体”と位置付け、網羅的な内容を詳細にご報告し

ています。また、これまで同様メリハリをつけ、見やすさ、アクセスの容易さなどに配慮して編集しています。Web

サイトにぜひアクセスしていただき、当社グループの様々なCSR活動についてご覧いただければ幸いです。

主な報告項目は、次のとおりです。

(3)

トップメッセージ

抜本的安全対策推進と安全文化のさらなる醸成について -岩国大竹工場レゾルシン製造施設事故を教訓に-

三井化学グループの経営戦略とCSR

たはらソーラー・ウインド

共同事業

化学物質マネジメント

[ TOPICS ] 従業員を大切にする三井化学

社会・環境課題に貢献する 三井化学グループの事業と主な製品 0 5000 10000 15000 20000 10,000 5,000 15,000 0

(億円)

13,917 14,540 14,062 12,077

(年度)

12 11

09 10

売上高

15,000

10,000

5,000

0

(億円)

■総資産 ■純資産  自己資本比率

12,381 4,190 12,956 4,311 12,563 4,158 13,380 4,289 0 5000 10000 15000 15 20 25 30 0 10 20 30 30.5 29.3 28.2 29.6 0 10 20 30 (%)

(年度)

12 11

09 10

総資産・純資産・自己資本比率

(億円)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益

-1,000 -500 0 500 1,000

(年度)

10

09 11 12

43 92 -81 405 389 249 -10 -95 -131 -280 216 229 -1000 -800 -600 -400 -200 0 200 400 600 800 1000 営業利益・経常利益・当期純利益

1,000 800 600 200 400 0 332 448 320 566 362451

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

0 200 400 600 800 1000 381 491

(年度)

12 11

09 10

研究開発費・設備投資額

4,767 6,063 6,087 4,000 6,000 2,000 0 5,855

(億円)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 ■海外売上高   海外売上高比率

34 37 40 43 30 35 40 45 30 35 40 45

(年度)

12 11 09 10 42.1 41.7 43.3 (%) 39.5

海外売上高・海外売上高比率

2,500 3,000 3,500 1,500 1,000 2,000 500 0 2,894 3,071 3,320

(人)

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 2,719

(年度)

12 11

09 10

海外連結子会社の社員数

CSR Communication 2013目次

特集1

特集2

冊 子

4

6

10

12

14

15

16

冊子(本紙)は、Webサイトのダイジェスト版で はなく、三井化学グループの取り組みについて、 とりわけ皆様にご覧いただきたい内容に絞って

ご報告しています。今年度は、「安全」につい

ての当社の取り組み、ならびに化学メーカーで ある当社にとっての重

(4)

 三井化学ではこれまでも「安全は全てに優先する」こと を最重要課題として懸命に努力してまいりましたが、このよ うな事故を起こしてしまったことは痛恨の極みです。

 事態を重く受け止め、事故発生直後に設置した第三者 による「事故調査委員会」において解明された直接原因 および深層原因に基づき、再発防止策を実施しています。 さらに、社外の有識者を加えた「抜本的安全検討委員

会」を立ち上げ、当社の組織風土、文化、技術伝承など を安全確保の観点から徹底的に見直し、抜本的安全対 策を取りまとめました。

 これらの対策を確実に実行し、二度とこのような事故が 起こりえない安全体制を構築し、社会的信頼を一刻も早く 取り戻すよう、私が先頭にたち全社一丸となって取り組ん でまいります。

 当社グループでは、2007年度から社会と企業双方の持 続可能性の実現を目指して、「経済」「社会」「環境」そ れぞれの目標を定め、その達成を目指す「3軸経営」を推 進しています。

 経済軸においては、岩国大竹工場事故という非常事 態に加え、急激な円高や世界景気の減速など事業環境 が大幅に悪化した結果、売上高は前年度比3.3%減の 1兆4,062億円、営業利益は同80.1%減の43億円にとどま り、また事業再構築のための特別損失を計上したため、

当期純損失は81億円という結果になりました。

 しかし、これまで事業ポートフォリオ変革に注力してきた  2012年4月22日に発生しました岩国大竹工場レゾルシン

製造装置の爆発・火災事故につきましては、多くの方々に 多大なご迷惑をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申 し上げます。

持続可能な社会の実現に向けて、

社会的責任を果たしていきます

抜本的安全対策推進と

安全文化のさらなる醸成について

3軸経営と2012年度実績

Top Message

(5)

ことにより、機能化学品事業、機能樹脂事業は順調に利 益を伸ばしており、さらに韓国メガネレンズモノマー製造・ 販売会社の買収や、国内最大級のメガソーラー事業へ の参入、またドイツHeraeus社の歯科材料事業のM&A など、将来の成長を実現するための布石は着実に打つ ことができました。

 社会軸については、岩国大竹工場事故を極めて重大 に受け止め、何よりも再発防止に向けた取り組みに全力 を尽くしてまいります。一方、「社員の健康は、会社の健 康に直結する」との理念のもと、経営課題として推進して きた社員の健康づくりについて、日本政策投資銀行様か ら取り組みが評価され、「 DBJ 健康経営格付」特別賞 をいただきました。

 環境軸に関しましては、2012年度に最重点方針のひ とつとしてCSRの観点から当社グループ製品・技術が有 する社会・環境貢献価値の「見える化」を強化していくこ とを新たな環境軸方針として決定しました。これにより、

今後いっそう「見える化」の促進を図っていきます。なお、 2012年度の実績としては、温室効果ガス(GHG)につい ては、排出削減中期目標を達成することができ、また、産 業廃棄物のミニマム化目標についても目標を達成するこ とができました。

 2011年度に開始し、2013年度に最終年度を迎える中 期経営計画では、「グローバルに存在感のある化学会 社」を目標に、「5-5-5戦略」(世界トップ5事業-重点5 事業-育成5領域への注力戦略)を掲げてきました。特 にヘルスケアなどの「高機能製品群」、エラストマーやポ リプロピレンコンパウンドなどの「高付加価値ポリマー群」

および「フェノール・チェーン」の3つの領域に経営資源を 集中させ、それらを軸に事業ポートフォリオの変革をさらに スピードアップさせていく計画です。

 東日本大震災が発生してから2年以上経過しましたが、 いまだ復興途上で今なお不便な生活を余儀なくされてい る多くの被災者の方々に改めてお見舞い申し上げます。  当社グループでは、震災直後から被災地の皆様に様々 な支援活動を行ってきました。

 例えば、被災地の皆様からのご要請により、当社グルー プ社員による「ふしぎ探検隊」(化学実験出前教室)を被 災地の学校や児童館などにおいて地域の子どもたちを対 象に実施いたしました。この取り組みは現在も継続してい ます。これからも当社らしい社員参加型の取り組みに知恵 と汗を搾りながら、被災地の復興と未来を担う子どもたち に少しでも力になっていきたいと思います。

 気候変動、エネルギー問題、資源・食糧問題など対応 すべき社会的課題は山積しています。こうした状況をリスク と機会ととらえ、また事業活動を通じて社会の持続可能な 発展に貢献することが当社グループの社会的責任(CSR) と考え、これまで様々な素材やサービスをご提供してまいり ました。高齢化社会を迎えてヘルスケア事業分野にも注

力しています。これをさらに強化するために、2013年4月に は研究・開発体制の抜本的再構築を行いました。また、 2012年8月には当社グループの人々の心をひとつにまと め、ともに努力し続けるための求心力となる中核的価値 観として、コアバリューを制定しました。

 社会が抱える課題・リスクの解決を事業課題として見 据え、三井化学グループ一丸となってイノベーションを加 速し、社会に貢献できる製品・技術・サービスの提供を進 めてまいります。

中期経営計画の進捗

東日本大震災復興支援について

(6)

安全への取り組み

事故の概要

[事故発生経緯]

 2012年4月22日、当社岩国大竹工場レゾルシン製造施設において、爆発、火災事故が発生しました。

 本事故により、お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げ、ご遺族に対し心からお悔やみ申し上げますとともに、負傷 された方、家屋・設備などの被害に遭われた方、その他近隣にお住まいの皆様、関係ご当局の皆様、お客様をはじめとする

多くの方々に多大なご迷惑をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。

 三井化学グループは、事故の重大さを厳粛に受け止め、二度とこのような事故が起きないよう、抜本的安全対策を着実 に積み重ね、社会から信頼いただける「安全な化学メーカー」へ向け、全社一丸となって取り組んでまいります。

岩国大竹工場の全景

抜本的安全対策推進と安全文化の

さらなる醸成について

ー 岩国大竹工場レゾルシン製造施設事故を教訓に ー

WEBサイトへ 詳細は当社Webサイト「安全特集」をご覧ください。 URL:http://jp.mitsuichem.com/csr/special/

※ レゾルシン製造施設の概要:1980年に操業開始。生産能力は年間7.6千トン。レゾルシンの用途は木材やタイヤの接着剤。

1

2

3

4

5

山口県

広島県

三井化学 岩国大竹工場 岩国地区

N

三井化学 岩国大竹工場 大竹地区

分解ガスが発生して、酸化反応器内の圧力が上昇し、酸化 反応器の耐圧性能以上の圧力となって、酸化反応器が破裂 爆発した。

酸化反応器の上部は冷却コイルがなく、また窒素の攪拌も 停止したため、酸化反応器上部が冷却されず、内液(有機過 酸化物)が分解して、分解熱の発生により徐々に温度が上昇 し、分解が加速度的に増加した。

緊急停止の約70分後に、冷却を早めるために、常用冷却水 への切替を判断し、緊急停止スイッチを解除した。これにより、 攪拌用の窒素が停止した。

レゾルシン製造施設でもプラント停止のために、緊急停止ス イッチを作動させ、緊急停止システムにより、酸化反応器は 緊急用冷却水と窒素の攪拌で冷却を開始。

4月21日 23時20分、工場内の蒸気発生プラントの停止によ り、蒸気使用プラントに停止指示。蒸気発生プラントの停止後、

所定の手順にしたがって、工場内の全プラントは安全に停止。

(7)

事故原因と再発防止策

 当社では、事故後速やかに、本事故の原因究明および類似事故防止策の検討のため、社外の学識経験者および専門家から なる「岩国大竹工場レゾルシン製造施設事故調査委員会」を設置しました。同委員会では合計8回にわたり会議を開催し、事故 原因の解明がなされるとともに、当社が策定した再発防止対策が承認されました。

[被害状況]

(1)人的被害

  死亡1名、負傷25名

(2)物的被害

  工場構外 ・ 家屋損傷999軒        ・ 近隣企業設備一部損傷

  工場構内 ・ レゾルシン製造施設が酸化反応器を中 心に甚大な損壊

       ・ サイメン製造プラントと動力プラント配管 ラックが爆風および飛来物により損壊・ 延焼

       ・ その他周辺の15プラントが爆風および 飛来物により損傷

[事故原因]

緊急停止スイッチを解除した

① 酸化反応器に供給されていた 窒素が停止し、酸化反応器内 の攪拌が停止した

② 冷却コイルのない部分の有機 過酸化物の冷却ができず、温 度が上昇した

③ 温度上昇により、有機過酸化 物の分解反応が加速し、酸化 反応器の圧力が上昇し、破裂 に至った

緊急停止スイッチを 解除したほうが よいと判断した

緊急停止スイッチを 容易に解除できた

緊急停止スイッチ解除により 窒素が長時間停止して 攪拌が停止し、温度が 上昇したが気付きが遅れた

・ 緊急停止システム作動時はゆっくり冷却されるため、

冷却速度が遅いと感じた(十分教育されていなかった)

・ 運転監視画面がデジタル表示で、温度低下傾向が わかりづらかった

・ 緊急停止スイッチ解除の基準と重要性の教育が 不足していた

・ 緊急停止スイッチ解除により、攪拌用窒素が 自動的に停止するシステムであった

・攪拌の重要性についての教育が十分でなかった

直接原因 一次要因 二次要因

[再発防止対策]

・冷却能力の強化 ・攪拌状態の維持

・ 緊急停止スイッチを解除できる条件の厳格化 ・反応温度管理の見直しと教育

・ 酸化反応器の温度上昇により、 自動的に停止するシステムの強化

・ 酸化反応器の異常に気付きやすい運転監視画面の 構築と攪拌停止を知らせるアラームの設置

・ 緊急停止に関する教育資料の見直しと 教育の徹底

・緊急停止の操作手順および設備の定期的見直し

緊急時操作の管理・技術の改善 事故を防止する本質的な対策

工場構内の被害状況

岩国大竹工場構内図

(8)

安全への取り組み

復旧への取り組み

(1)一般配管復旧班

 工場構内の一般配管も至る所で破損しており、「一般配 管復旧班」を編成し復旧作業に取り組みました。

(2)物流グループ

 復旧に必要な資機材の輸送や、瓦礫の回収・搬送作業 など、通常時とは異なる作業があり、協力会社の皆様と一 丸となって支援活動を行いました。さらには事故対応中でも お客様への製品の供給

を続けるために、一部の 製品については海外関 係会社からの協力を得る など、必要な対応に全力 をつくしました。

(3)三井化学分析センター岩国分析部

 分析建屋が被災したため工場構外の研究棟に移転し、 インフラ整備などの分析業務復旧に全力で取り組み、製品 出荷再開とプラント再稼動をバックアップしました。

(4)エムシー・オペレーションサポート   岩国大竹事業所

 発災直後の工場構内道路には配管、ガラス、スレートの ほか、油なども飛散していました。油などの回収作業には道 路全体に当社製品のタフネルオイルブロッター(油吸着剤) を敷いて、構内道路の復旧に全力を挙げました。復旧には 構内道路以外にも清掃が必要な場所は多数あり、排水溝 などにたまった飛散液などを回収するなど、復旧に欠かせな い清掃作業に努めました。

抜本的安全検討委員会

 当社では、「安全は全てに優先する」という経営方針のも と、これまで全グループを挙げて様々な安全活動に取り組ん でまいりました。しかしながら、今回の事故が発生し、多くの 皆様に多大なるご迷惑をおかけする大事態を引き起こしてし まいました。

 当社はこの事故を厳粛に受け止め、2012年5月に社長 を委員長とし、社外の有識者を加えた全社的なチームによ る「抜本的安全検討委員会」を設置しました。委員会では、 「考える力」「プロ意識」「技術力」「責任・権限・役割」の4

つのキーワードを抽出し、キーワードを軸に5工場で約350人 の従業員にインタビューを実施して問題点を整理しながら、 当社の安全に関する問題点を徹底的に見直し、抜本的な 安全への取り組みを検討してまいりました。

 この委員会における検討結果をふまえ、2013年1月に抜 本的安全に対する今後の取り組みを策定し、実行しています。

抜本的安全検討委員会

委員長 : 社長

委員長代行 : 担当役員(常務取佤役) メンバー : 専務、常務、各工場長、社外専門家

役割 : 実務検討チームからの報告内容について委員会で

討議し、実務検討チームへ指示をフィードバックする。

実務検討チーム

報告 ・指

事務局: 経営企画部 生産・技術本部

外部 コンサルタント 統括

(生産・技術副本部長)

外部コンサルタントと事務局による各工場、 各層へのインタビューを実施し、テーマを絞り込む テーマ に分科会を設置

メンバー : 幅広い分野より 定(テーマによっては、 外部有識者の意見も う)

役割 : 検討項目絞り込み、現状偉 、 問題点抽出・整理・課題、対策検討

抜本的安全検討委員会組織図

 岩国大竹工場では、安全を最優先として工場復旧に向けて、設備全体の健全性および安全性の確認、用役供給の再開、飛 散物の片付けや損壊機器撤去、プラント内の残液処理など懸命に取り組んできました。これらの取り組みの一部をご紹介します。

(9)

「安全の日」の制定

 当社は、事故が発生した4月22日を「安全の日」と定め、 事故から1年目に当たる2013年4月22日に、全社を挙げて 安全に関する取り組みを実施しました。

 当日、岩国大竹工場では500名強の社員が一堂に会し、 社長が、改めて事故を引き起こしたことへの反省、そして再 発防止対策の着実な実行、安全へ向けた信頼回復などに ついて訓話を行いました。さらに、事故に対する岩国大竹 工場で働く全社員の思いを形にするため「安全のモニュメン ト」を設置し、真に「安全は全てに優先する」、「二度と悲惨

な事故を起こさない」ことを全員で誓いました。

 また、岩国大竹工場内に「安全教育室」を設置し、事故 の写真や爆発した酸化反応器の破片などを展示して、新入 社員やプラント運転員の教育に活用しています。

 三井化学グループは、二度とこのような事故を起こさない よう、全社一丸となって取り組んでまいります。

モニュメント前での社長 訓話

安全取り組みに向けて の決意表明

 『抜本的安全』は、全社を対象とする調査と議論から抽出さ れた3つの大課題と、それに対する11の具体策からなります。  3つの大課題とは、①ライン管理者が現場に集中し、しっか り現場のマネジメントができること、②技術力の向上と技術伝 承を確実に行えること、③安全最優先の徹底と、プロ意識の 醸成・業務達成感が得られること。

 その上で、ライン管理者が現場管理に十分に力を注げる よう業務負担の軽減、現場感覚を有するエンジニアの育成、

確実にトラブルを防止するための技術評価システムと体制の 見直し、さらに安全成績や業務で達成感を得る対策など11 の具体的な対策を示しています。

 『抜本的安全検討委員会』の実務検討チームを統括した 松尾は、「抜本的安全のサブタイトルである、“自分の安全は、 自分で考え、自分で守る。そのために何をすべきか”こそが、最

も重要で大きな課題です」と語ります。

 「安全を生み出す環境や設備の整備を充実させる一方で、 従業員が自立的かつ自律的にリスクや危険性について考え、 改善策を練る。指示待ちではなく、安全確保に自ら努力する 風土を築かなければなりません。安全確保の取り組みとレベ ルの向上が企業文化として定着し、一人ひとりの従業員がプ ロ意識を持ってチームをつくる。この2つがあって初めて安全 は創造されていくのです」。

 2013年度は、『抜本的安全への取り組み』が三井化学の 全社目標となり予算措置も講じられました。委員会は引き続き、 各職場での取り組みを検証するとともに、社外の専門家や 関係機関の評価を受けることも計画しています。松尾が強く 訴えるのが、「安全はものづくりのすべての結果である」というこ と。安全確保の取り組みが、実は三井化学のものづくりの質 を高め、ビジネスにもつながっていく。『安全な工場、安全な会 社』は、社会からの信頼の礎であり、仕事への評価となります。  「安全への取り組みは、決して後ろ向きの活動ではありませ ん。これからは、事故を受け、一人ひとりの従業員が、事故の 教訓をどのように活かしていくかが問われてきます。全従業員 が、前向きに安全に取り組める環境づくりに知恵を絞りたいと 決意しています」。

3つの大課題と 11の具体策で企業の 安全文化をさらに強化する

執行役員生産・技術本部長

(当時、理事・生産 ・ 技術本部副本部長) 松尾 英喜

(10)

ステークホルダーの信頼を

高める取り組み

■2011年度中期経営計画・

目標(営業利益等)達成

■2011年度中期経営計画

戦略の前倒し達成

■本業を通じた

社会課題解決 (2011年度

中期経営計画)

■ダイバーシティへの

積極対応

■当社らしい

社会貢献活動

■2011年度中期経営計画・

目標(温室効果ガス削減等)達成

■製品を通じた地球環境

貢献追求(長期経営目標)

■製品環境インパクトの見える化

(2011年度中期経営計画)

■「安全」信頼回復 ■経営目標達成

●化学物質リスク評価 ●法令・ルール違反ゼロ ●製品・サービス品質向上

■グローバル化にともなう

リスクマネジメント強化

三井化学グループの経営戦略と

CSR

三井化学グループの3 軸経営

CSR 取り組み俯瞰図

3軸経営の考え方をベースに、「ステークホルダーの信頼を失わない」地道でしっかりとした取り組みと、 「ステークホルダーの信頼を高める」取り組みを、中期経営計画においても明確に示し、グループを挙げ、

ベクトルをあわせて全力で取り組んでいます。

なお、2012年8月にコアバリュー(挑戦・多様性・一致団結)を制定しました。コアバリューは、世界各地で働く 当社グループの人々の心をひとつにまとめ、ともに努力し続けるための求心力となる中核的な価値観のことです。 持続可能な社会の実現に貢献していくためには、まずは私たち自身が社会の人々、

ステークホルダーの皆様から信頼され、期待されることが不可欠であると考えています。

その基盤となるのは一人ひとりの従業員が誇りをもって活躍できる「いい会社」の実現であり、「いい会社」を実現するためには、 現在、そしてこれからも常に考え、行動し、挑戦し続けることが何よりも大事であると考えています。

「いい会社」の実現のために三井化学グループでは様々な取り組みを行っています。 その取り組みの基盤として、当社グループは2007年度から、

「経済」「社会」「環境」の3軸経営の姿勢を明確にして事業活動を推進しています。

ステークホルダーの信頼を

失わない取り組み

■社員自身の潜在力発揮

経営会議 CSR委員会

RC委員会 リスクコンプライアンス委員会

経営 ビジョン

経営基盤 コアバリュー (挑戦・多様性・一致団結)

(11)

三井化学のチカラを

社会に活かす

CSR highlight 2012

三井化学グループは、2012年度のCSR重点課 題を、「ステークホルダーからの信頼を高め、企業 価値の持続的向上を目指し、『自ら考え、挑戦する 強い「現場力」を全社で実現する』」と掲げました。 当社グループらしい、様々な取り組みを実施する ことで、ステークホルダーの皆様とのよりよいエン ゲージメントを進めていきます。

 当社グループの三井化学アグロ社は、お客様の抱える課 題について、革新的な製品やサービスなど多彩なソリューショ ンを提供し、お客様のお役に立つような活動をしています。  JA(全国農業協同組合連合会)は、環境保全、生物多 様性に配慮した「生き物と共生した米づくり」に取り組んで おり、三井化学アグロ社では、減農薬栽培に適した農薬で あるジノテフラン剤(米栽培に悪影響を与える害虫に効果を 発揮し、害虫以外には影響が極めて少ない製品として同社

が開発した製品)を提供しています。ジノテフラン剤を使用し

たJA圃場2箇所において、JA、環境科学専門家、お米の バイヤーの方々と共同で「田んぼの生き物調査」を実施しま した。この調査の結果、田んぼには害虫以外のいろいろな 種類の多くの生き物が生息しているのが確認されました。

「生き物と共生した米づくり」を支援

 CSRの推進には社員の主体的取り組 みが必要ですが、より一体感を深めるた めには社員の家族にも三井化学のことを もっと知ってもらいたいとの思いから、また 子どもたちに化学への興味・関心を持って もらおうと、3月の春休みに本社で「家族 の会社見学会」と化学実験教室「ふしぎ

探検隊」を開催しました。三井化学の様々

な活動がより身近なものになりました。

家族の会社見学会

 タイの関係会社Siam Mitsui PTA社 (SMPC)は、社内に「One Team One

Project」を制定して社員がCSR活動に 参加するよう勧めています。今回は学校 でのプロジェクトとして、校庭の遊具の塗 装塗り替えや整備などを行いました。

タイSMPC社による

One Team One Project

 当社は、東日本大震災の復興に向けた持続的な支援活 動として、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンと協働で

当社製品を使った化学実験教室「ふしぎ探検隊」を宮城県

南三陸町で実施しました。

 参加した社員からは「被災地の子どもたちと触れ合い、町 の方々の前向きな姿勢を感じることができ、今後のモチベー ションアップにつながる」といった感想が寄せられています。  また、昨年に引き続き社員が仮設住宅の夏場の室内温 度上昇を抑える「熱線遮断フィルム」を貼りつける作業を行 いました。

 参加者からは「まだまだ復興には時間がかかりそうで、三 井化学グループとしてこれからもできる支援をしていきたい」 との意見がでました。

(12)

 渥美半島ほぼ全域を市域とする愛知 県田原市。三河湾側に造成された工業 用地には大手自動車メーカーの工場や関 連企業の工場も展開しています。三井化 学も隣接地に工場用地を取得していまし たが、事業計画の変更により未利用地に なっていました。

 その広さは80万㎡。東京ドームならば 17個分、ナゴヤドームならば15個分に相 当します。ここに発電能力50MWの太 陽光発電設備(パネル出力、パネル数は 21万5,000枚)と、発電能力6MWの風 力発電設備を設置します。これらは全量、

可能

エネルギーの

に む

国内最大規模

運用実証実験

三井化学は、三井物産(株)など6社と共同で、 愛知県田原市に総発電規模 56MWの

太陽光・風力発電事業を展開します。 運転開始は2014年10月の予定ですが、 地元自治体とは共同で、施設を活用した

環境学習の実施も検討しています。

国内最高水準の

年間日照時間、平均風速の

自然条件を活かし切る

■事業名称

たはらソーラー・ウインドⓇ共同事業

■発電能力

太陽光50MW(モジュール出力。 パワーコンディショナー出力は35MW) 風力6MW

■太陽光および風力発電合計の発電量

約67,500MWh /年

(田原市総世帯の約9割に当たる 約19,000世帯の使用電力に相当)

■二酸化炭素削減量

約32,000t – CO2/年

(約230万本の杉の木の 二酸化炭素吸収量に相当)

■設置場所

愛知県田原市緑が浜

(三井化学所有地約80万m2

■工期

着工 2012年11月  運転開始予定 2014年10月

設備

DATA

たはらソーラー・ウインド

共同事業

特集

1

田原市

愛知県

三河湾

(13)

 蔵王山は近々「総量180MWの太陽 光・風力発電施設が見渡せる山」となり、 三井化学グループ以外の太陽光発電プ ロジェクトも含めて一望できることになる のです。

 三井化学だけでなくほかの発電事業者 も含め、田原市を中心に「環境学習プロ グラムをつくり、実施しようという動きが始 まっています。蔵王山からの展望、周辺 での環境観察、そして太陽光発電施設 の見学などを織り込んだプログラムになる のではないかと推測しています」(福田)。  三井化学では、太陽光発電用向け素 材のほかにも、都市型の未利用資源から ガスを取り出すプロジェクトも推進してい ます。それらも含め、環境関連技術の開 発には、化石燃料の活用で駆使されてき た様々な技術の応用が可能です。福田 は、「技術イノベーションを主導し、太陽光 発電も含めて日本のエネルギー安全保障  田原市は、全国屈指の日照時間の長さ

と平均風速を誇る地域です。年間の日照 時間は約2,200時間。一方、年間平均 風速は約6~7m/s(田原市緑が浜)で、 ともに全国トップクラスの長さと風速です。  このため開設される太陽光発電の年間 稼働率は12%と見込まれ、これは田原市 の全世帯の9割(約19,000世帯)の電力 需要を賄えるものです。また風力発電の 年間稼働率は30%と見込まれています。  三井化学でプロジェクトを担当する執 行役員環境・エネルギー事業推進室長の 福田伸は、「発電量がメガクラスの太陽 光発電と風力発電が併設されるのは日本 でも初めてのこと。“エコ・ガーデンシティ 構想”を推進する地元田原市も、発電事 業の展開を心から歓迎してくださいました」 と語ります。

 田原市における太陽光・風力発電事 業は、未利用地を有効活用するという考 え方にとどまらず、太陽光発電や風力発 電に関する技術と運営の総合的な検証 施設であるという点に特徴があります。  三井化学グループでは、これまで太陽 電池封止材「ソーラーエバ®」や、太陽 電池用接着剤、風力発電にも適した潤 滑油添加剤「ルーカント®」などの製品を 展開してきました。さらに再生可能エネル ギーに関連する他の複数の素材開発に も取り組んでいます。

(株)東芝、東レ(株)、三井造船(株)の 各社はそれぞれ、太陽光発電の企画や 運営、素材開発、パネルの製品化、設置 工事などで実績と知見を有しています。  また180億円に達する総事業費は、各 社出資のほか、日本政策投資銀行を中心 とするシンジケートローンによる融資で調 達され、さらに愛知県からは「新あいち創造 研究開発補助金」、田原市からは「企業 立地奨励金」の補助金も受けています。  本プロジェクトはいわば、その資金調達 から技術開発、運営まで、太陽光発電に 関わる総合的なノウハウが結集されてい ます。施設は、2014年6月に試験運転 を開始し、同年10月から本格運転を開始 する予定です。事業期間は、運転開始か ら20年間。

 「長期の運営期間を設定することで、ビ ジネスとしての収益の確保と同時に、そ の過程で生じる様々な問題や解決策を 事業参加者が共有し、それぞれの知見が さらにグレードアップして自然エネルギー 活用を推進できるようにしたいと思ってい ます」(福田)

 太陽光発電と風力発電施設の南側、 4kmほど離れた所には、三河湾や太平洋 を一望できる蔵王山(高さ250m)があり ます。現在は、頂上に展望台と休憩施設 などが設けられ、市民のピクニックの場に なっている一方、展望台横には発電能力 300kWの風力発電設備が設けられ、「地

地元との環境学習

プログラムづくりの計画も

7社の共同事業で、

資金調達には

シンジケートローンも活用

環境・エネルギー事業推進室長 工学博士 執行役員

福田 伸 80万㎡の広大な

(14)

 当社の化学物質管理の基盤として、2013年4月に情報一 元管理システムが本格的に稼動しました。全社プロジェクトメ ンバーが多くの課題を解決し、計画どおりに立ち上げることが できました。

 当社の製品は、お客様のもとでほかの物質になったり、加工 されたりと姿を変えて消費者へ届きます。そのため当社製品の ライフサイクルにおける影響について様々な情報公開を通して ステークホルダーの皆様とのリスクコミュ

ニケーションを進めています。さらに当社 製品や技術の社会・環境への貢献度の 「見える化」を図るため「m-SI」を設定し ました。そしてその公平性は重要である と認識し、第三者レビューをお願いしまし た。これらの取り組みを通して、社会・環 境により貢献できる製品をご提供してい

 持続可能社会の構築に向けて、社会の重要な構成 員である企業の積極的な貢献が強く求められています。 確実で革新性を持って環境影響の低減に基づく社会貢 献を進めていくには、透明性と再現性の高い検証方法の確立が不可欠で す。三井化学は、独自にm-SIという検証体系の構築に向けた取り組みを 行っています。製品等のライフサイクルを網羅した定量的な評価手法であ るLCAと製品機能の高度化を網羅的に評価する本手法を幅広い製品群 に適用していこうとする同社の挑戦的な試みを大変高く評価いたします。  欧州では環境フットプリントの試行が始まり、日本では世界を対象にした 環境影響評価の手法開発が積極的に行われており、今後も環境評価手 法は速い速度で高度化していくものと見られます。これらの動向を見据えつ つ、柔軟に評価手法の見直しと迅速な意思決定への反映に取り組まれる とともに、引き続き当該分野で業界を牽引されていくことを期待します。

貢献度の“見える化”への取り組み

東京都市大学 環境学部 教授 博士(工学)

伊坪 徳宏 氏

社会・環境貢献の“見える化”に寄せて

安全・環境企画管理部 化学品安全センター長

化学物質マネジメント

特集

2

社会

への

を える

する

三井化学グループは、企業理念を実現していくために経済・社会・環境の

3軸経営を推進し、持続可能な社会を目指す様々な取り組みを行っています。

 化学品メーカーである三井化学にとっ て、製品の安全性を確保することは事業継 続の基盤にほかなりません。当社は2011 年度からの中期経営計画において、化学 物質の総合管理を重要テーマと位置付け、 「化学物質マネジメント戦略」を策定し、基

盤強化に向けた取り組みを行っています。  「化学物質マネジメント」とは、製品の開 発・製造、輸送、使用・加工、最終製品の 使用、廃棄・処分に至る製品のライフサイ クル全体を通して、情報の収集、リスク評 価、環境影響評価、そしてリスク削減措 置などのリスクマネジメントを実施すること です。このためにまず情報を一元的に管 理するシステムを構築し、実用化しました。 さらに、評価の結果をSDS※1とともに顧客

へ提供、ウェブサイトを通じて社会へ公開、

化学物質管理基盤の強化

国へ有害性情報を提供するなど、様々な機会をとらえたコミュニケーションを実施し

ています。これは、ステークホルダーとの コミュニケーションを通して広く情報を開示 していくことが、ライフサイクル全体を通 じて化学物質のリスクをマネジメントする 重要な手段になると考えているからです。

 当社では、製品のライフサイクルを通じた 社会・環境への貢献度を「見える化」するこ とにも取り組んでいます。当社が製品を製 造し、その製品を使っていただくことで、どのく らい環境に貢献できているかを見える化す るために、m-SI(mitsui Sustainability Index)を設定しました。m-SIは、GHG削 減や環境汚染防止など11項目の環境 影響を評価できる指標「ものさし」です。例 えば、m-SIに基づいた社会・環境への貢

献評価、さらにはLCA※2による定量的な

評価の結果、NOx還元剤である「アドブ ルーⓇ※3は国内販売量から算出して年

間3.6万トンのNOx削減に貢献している ことが判明し、顧客と情報を共有しました。  今後は、さらに多くの製品を評価し、ま た社会・環境貢献度の高い新製品を提 供することによって、化学品メーカーとし て、製品を通じた社会・環境への貢献に 取り組んでいきたいと考えています。

環境影響指標「m-SI」

を新設

担当者より

製品ライフサイクルにおけるリスク

リスク影響

使用・加工 使用・加工時の排出物、製品への接触・曝露

廃棄・処分時の残渣・排出 物への接触・曝露 廃棄・処分

最終製品として使用する際 の溶出・排出物、製品への 接触・曝露

最終製品の使用

荷役・輸送時の製品への接 触・曝露

輸送

開発・製造 プロセスでの排出物、製品への接触・曝露

ステークホルダーメッセージ

土壌 大気

水系

動物 植物 消費者

作業者

微生物 バクテリア

※1 SDS(Safety Data Sheet):事業者が化学物質 などを他の事業者に出荷する際に、相手方に対 して提供するデータシートで、物質名、供給者名、

危険有害性、安全対策および緊急事態での対応 などの情報を記載する。

※2 LCA(Life Cycle Assessment):製品の開発、 製造、輸送、使用、廃棄などすべての段階を通し て環境影響を定量的に評価する手法。 ※3 アドブルーⓇ:AdBlueは、ドイツ自動車工業会の

(15)

従業員を大切にする三井化学

-日本政策投資銀行より

DBJ

健康経営

(ヘルスマネジメント)

格付

特別表彰を受賞-

 今回、健康経営特別表彰を受賞できたこ とを大変光栄に思っています。特に格付評 価のための指標がよくできていて、その中で 評価されたことはとてもうれしく思います。  当社は、社員の「健康」を単なる「健康づ

くり」というよりは、「労働衛生」の一環として

課題・方策を経営層にしっかりと理解、オー ソライズしていただき、それを受けて、我々 産業医を中心に健康管理室が、きちんと仕 組みをつくって実行しています。会社の課 題として実行しPDCAを回すことで、実施の 成果やあらたな課題が見えてきます。また、 社員の皆さんへも、健康診断を通じてご自

身の課題や目標を提示し、情報提供や保 健指導を行って成果を測定するようにしてお り、こうした仕組みが重要であると思います。

 2008年度以降、疾病休業日数は低下 傾向で、メンタルヘルス不調による休業は 減少してきています。また、定期健康診断 を特定健診とがん健診を合わせて行ってお り、この結果、がんの早期発見にもなり、疾 病休業におけるがんの休業日数も徐々に下 がってきています。

 これからも、社員がより積極的に参加でき る健康増進活動も含め、いっそう取り組み を充実させていきたいと考えています。

 2013年中にフレームワークの公表が予 定されている統合報告においては、拡張され た企業資本の概念が6つに整理され、その ひとつに「人的資本」が挙げられています。 三井化学は、人的資本の価値創造を図る ひとつの方策として、従業員への健康配慮 という切り口で優れた取り組みを実践してい ます。こうした取り組みにより、形成される強 固な人的資本が企業価値向上あるいは競 争力の源泉となることをぜひ実践で示しても らいたいと思っています。

株式会社 日本政策投資銀行 環境・CSR部長

竹ケ原 啓介 氏

人的資本による 企業価値向上へ

健康管理室 統括産業医

土肥 誠太郎

産業医より

今後も社員の健康増進活動を充実させていきます

DBJよりメッセージ

 三井化学は、日本政策投資銀行(以下、DBJ)より、「DBJ 健康経営(ヘルスマネジメント)格付」の最高ランクである「従 業員の健康配慮への取り組みが特に優れている(特別表 彰)」の格付を取得し、2013年4月25日にモデル企業として表 彰を受けました。また、この格付に基づき、DBJをアレンジャー とした健康経営シンジケートローン※により、170億円の融資を

受けました。

 この融資制度は、DBJが、従業員の健康配慮への取り組 みの優れた企業を評価し、その評価に応じて融資条件を設定 するものです。

※ シンジケートローン:複数の金融機関が協調して、ひとつの融資契約書に基づ き同一条件で融資を行う資金調達手法。

 当社は、かねてから「社員の健康は、会社の健康に直結す る」との理念に基づき、従業員の健康づくりを経営課題として 明確に位置付け、取り組みを強化してきました。今回の受賞 は、メタボリック症候群改善への取り組みや、全社員へのスト レス調査およびそれに基づく改善策の実施などの活動が評価 されたものです。

 当社は今後とも、やりがいのある仕事と充実した私生活との 調和を目指し、ワーク・ライフ・バランスを推進するとともに、グルー プ社員の健康増進活動に積極的に取り組んでまいります。

今回、評価いただいた主なポイント

❶ 様々な健康関連施策の実効性を高めるため、産業医がライ ンマネージャーとして、従業員の健康づくりについて責任と

権限を有している点

❷ その体制のもと、社員の健康意識付けのために充実した教 育機会を提供し、様々な健康づくり活動を計画的かつ精力 的に実施している点

(16)

社会・環境課題に貢献する

三井化学グループの事業と主な製品

各事業分野における三井化学グループの役割と、関連する事業・製品をご紹介します。

通気性に優れた紙お むつの素材となるエス ポアールⓇは、不織布

不織布

●シンテックスⓇ 通気性フィルム

●エスポアールⓇ 形状保持材料

紙おむつ、日用品

イクロステープⓇは、

半導体製造工程にお けるウェハー裏面の 研削加工時に、ウェ ハー表面を保護する ためのテープです。

ウェハー裏面研削用保護テープ

●イクロステープⓇ

フォトマスク用防塵カバー

●三井ペリクル™

エッチング、クリーニングガス

●三フッ化窒素

半導体プロセス材料

飲料ボトル、食品・洗剤・化粧品・医薬品容器

●三井PETⓇ

●ポリエチレン(エボリューⓇなど)

●ポリプロピレン(プライムポリプロⓇ

プライムポリプロⓇは、ゼリーカップ容器、シー

ルフィルム材など幅広い用途に使用されて います。

三井PETⓇは飲料ボトルなどの容器に、また

フィルムの剛性・強度にすぐれたエボリューⓇ

は、食品、生活用品向けの高機能包装材な どに使用されています。

包装材料

ポリエステル繊維原料

● 高純度テレフタル酸(PTA)

ポリカーボネート樹脂

●フェノール

PTAは、ポリエステル繊維の原料で、様々 な衣服に使用されています。

基礎化学品

カッパーストッパーⓇを貼った製品は抗

菌・消臭作用があり、特に医療や衛生

銅合金コート

表面衛生フィルム・シート

●カッパーストッパーⓇ

抗菌機能を備えたフィルム・シート

親水コート剤

●ノストラⓇ

日常生活で役立つコーティング材

ノストラⓇを塗布することによりプラス

チック、ガラスなどの基材に優れた防 汚性、防曇性、耐擦傷性、帯電防止 性、速乾性を付与でき、省エネおよび

環境負荷軽減に結びつく製品です。 ノンコート コート

便利で安定した生活のための

産業・生活材

衣・食・住向け素材など

グローバルな供給を通じて、 広く生活基盤・社会基盤を支えます。

スパッシュⓇは、生鮮食

品の鮮度保持を可能に するほか、野菜、果物、 花きのしおれ・変色を抑 えることができます。

生鮮食品鮮度保持用フィルム

●スパッシュⓇ

日常生活で使用されるフィルム

パルシールⓇCB製

のゴミ袋は、生ゴミ 処理機内ですみや かに分解します。

高速生分解性フィルム

●パルシールⓇCB

快適・機能材

安心で豊かな生活のための

高品位素材、電子情報材、自動車材など

(17)

高屈折率プラスチック眼鏡レンズ

●MR™シリーズ

MR™シリーズは、高屈折率、耐衝撃性など にすぐれた最高品質光学プラスチックレンズ

眼鏡レンズ用材料

美味しいお米

晩生多収ハイブリッドライス

●みつひかり 2003、2005

みつひかり2003、2005は、美味しく、また フルーツセイバーⓇは、

ペンチオピラドを有効 成分にした農業用殺 菌剤で、果樹の主要 病害に対して優れた予 防効果を発揮します。

環境にやさしい作物を守る

●アニキⓇ乳剤(殺虫剤)

●フルーツセイバーⓇ(殺菌剤) 農業化学品

ソーラーエバⓇは、太陽電

池の電池セルを保護する ため、基盤全体を包む高 耐久性のプラスチックシー トとして使用されています。

太陽電池

●ソーラーエバⓇ

●モノシラン

太陽光発電部材

歯科接着用レジンセメント

●スーパーボンドⓇ 歯科材料

スーパーボンドⓇは、高い接着性能と

生体適合性で国内外の歯科医から 高い評価を得ており、多くの患者さん に使用されています。

エコ二コールⓇは、植物由来原料を使用

したポリウレタン材料(バイオポリオール) で、家具、寝具、自動車のシートクッション などに使用されています。

バイオポリウレタン材料

●エコニコールⓇ バイオマス化学品

リチウムイオン電池材料

●ミレットⓇ(電解液) 

● ケミパールⓇ(電極用バインダー) エコ自動車向け

アドマーⓇは、バリヤー性樹脂との張

りあわせによって、燃料タンクからの 燃料漏洩防止、タンクの軽量化を可 能にしています。

接着性ポリオレフィン

●アドマーⓇ

タフマーⓇは、自動車用プラスチック

材料の衝撃性改良により、金属の 代替として使用され、自動車の軽量 化に貢献しています。

オレフィンコポリマー

●タフマーⓇ

自動車の内装材(ドアトリム、インパ ネなど)に使用されるミラストマーⓇは、

自動車の軽量化に貢献しています。

熱可塑性エラストマー

●ミラストマーⓇ 自動車の軽量化を可能にする材料

地球環境に優しい生活のための

新エネ・環境材

太陽光発電、バイオなど

環境問題のソリューションなど、 新たな成長市場において、 人類の課題解決に貢献します。

健康・高品質材

心地よく、質の高い生活のための

ヘルスケア、触媒、農業化学品など

クオリティーの高い製品を創出し、 健康・高齢化や農業、触媒などの分野で

(18)

3

4

5

2

1

三井化学グループのグローバル展開

三井化学グループは、世界の人々の生活に

新たな豊かさをつくり上げるために、グローバル展開を拡大しています。

Asia

EPT合弁会社設立

 当社と中国石油化工股份有限公司(Sinopec)は、2012年5 月に共同出資によりEPT(エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴ ム)を製造販売する合弁会社「上海中石化三井弾性体有限公 司」を設立しました。

 中国では、自動車産業の急速な 拡大および社会インフラの整備に ともない、EPTの大幅な需要増が 見込まれており、新会社は拡大す る中国EPT市場のニーズにいち早 く応えるよう取り組んでいきます。

―中国

China

契約調印式の模様

1

高機能包装用フィルムの合弁会社設立および工場新設

 当社の100%子会社である三井化学東セロとSCGケミカルズ

社(タイ)は、2012年4月に高機能包装用フィルム(T.U.XⓇ)の

合弁会社を設立し、現在工場建設を進めています。

 T.U.XⓇは、主に食品包装用フィルムとして使用されています。

高い強度とシール性能、そして薄く透明性に優れているのが特長

で、「食の安心・安全」をキーワードにアジアの消費・流通市場

へ浸透と拡大を図っていきます。

 新合弁会社「Siam Tohcello社」の設立は、2011年度中期 経営計画において基本戦略のひとつに掲げる「機能フィルム・

―タイ

Thailand

3

ニソン製油所・石油化学コンプレックス

 当社は戦略的パートナーとして緊密に連携している出光興産(株)ととも に、クウェート国際石油社およびペトロベトナム社と合弁にて、ベトナムに「ニ ソンリファイナリー・ペトロケミカル社」(NSRP)を設立し、ベトナムのタインホ ア省ニソン経済区において製油所・石油化学コンプレックス建設プロジェクト の検討を進めてきました。

 2013年6月に最終投資決定を行い、2016年の完工に向け建設工事 に着工しました。

 本プロジェクトは、クウェート原油の安定供給をベースにベトナム国内で急 増する石油製品需要をとらえ、世界的に需要の伸びが見込まれるアロマ(パ

―ベトナム

Vietnam

4

メガネレンズ材料メーカー株式取得

 当社は、2013年3月、プラスチックメガネレンズモノマーを製造 販売している韓国KOC Solution社(KOC)の株式を取得し子 会社化しました。

 当社は、2011年度中期経営計画において、メガネレンズモノ マー事業を、競争優位事業をグローバルに拡大する「世界トップ 5事業」のひとつとして位置付け、積極展開を進めています。  今回のKOCの株式取得による

子会社化により、今後は製品ライ ンアップを拡充し、プラスチックメ ガネレンズ材料のグローバルリー ダーとして、市場におけるプレゼン スをいっそう強化していきます。

―韓国

Korea

契約調印式の模様

(19)

6

7

8

Europe

the Americas

ポリプロピレン自動車材能力増強

 当社および子会社のプライムポリマー社は、アメリカにおけるポリプロピ レン(PP)自動車材の需要拡大に対応するため、Advanced Composites 社のPP生産能力を年間14千トン増強します(2013年第4四半期営業運 転開始予定)。

 当社グループは、2011年度中期経営計画の基本戦略において世界トッ プの競争力を持つPP自動車材事業のグローバル展開を打ち出し、現在世 界8地域(日本、アメリカ、メキシコ、ブラジル、

欧州、インド、タイ、中国)にPP自動車材の 製造拠点を有しています。今回の増強で拡 大する北米市場におけるトップクラスの供給 力を強化するとともに、グローバルな供給体 制をさらに強固なものとしていきます。

―アメリカ

USA

Advanced Composites社外観

6

ポリプロピレン自動車材事業 新会社設立

 当社の子会社であるプライムポリマー社は、2012年5月ブラジ ルのProdumaster Indústria e Comércio社(PIC)の出資 持分の70%を取得し、同社を母体とする新会社「Produmaster Adv anced Com posites Indústria e Comércio d e

Compostos Plásticos社」を設立しました。

 プライムポリマー社はポリプロピレン(PP)自動車材事業を、世界

トップを目指す「成長産業」として位置付け、各極での早期事業拡 大を図っており、特に南米市場での事業強化を重要な戦略課題の ひとつとして位置付けています。今回の新会社の設立により、PIC 社の事業ノウハウとプライムポリマー社保有技術のシナジー効果 により、PP自動車材事業のさらなる強化・拡大を図っていきます。

―ブラジル

Brazil

7

Heraeus社の歯科材料事業の譲受

 当社は、2013年6月ドイツの「Heraeus社」から同社グループの歯科材 料事業を譲り受けました。

 当社は、2011年度中期経営計画においてヘルスケア材料事業の拡 大・成長を目指していますが、特に歯科材料分野は今後、大きな成長が期 待できる分野です。Heraeus社は歯科材料事業に関して豊富な知見と業 界でのプレゼンス、確固たるブランド力、グ

ローバル販売ネットワークとグローバル経営ノ ウハウを有しています。

 一方、当社は子会社であるサンメディカル 社において歯科材料事業を手がけており、今

―ドイツ

Germany

8

エボリューⓇの新会社設立と製造設備の新設

 当社の子会社であるプライムポリマー社は、2012年10月シンガ

ポールにおいて、中核事業とするメタロセンポリマー、エボリューⓇ

の製造能力強化をするべく新会社を設立し、2013年5月に製造 設備の起工式を行いました。

 エボリューⓇは高強度・密封性・低臭気、ヒートシール性などに優

れ、液物包装やパウダー包装に求 められる高機能シーラント用材料と して、アジア市場での急速な拡大 が見込まれており、今回の新会社 設立および製造設備新設により、

エボリューⓇ事業のさらなる強化・

拡大を図っていきます。

―シンガポール

Singapore

5

(20)

参照

関連したドキュメント

三洋電機株式会社 住友電気工業株式会社 ソニー株式会社 株式会社東芝 日本電気株式会社 パナソニック株式会社 株式会社日立製作所

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

環境影響評価の項目及び調査等の手法を選定するに当たっては、条例第 47

東京都環境影響評価審議会 会長 柳 憲一郎..

第2章 環境影響評価の実施手順等 第1

廃棄物の排出量 A 社会 交通量(工事車両) B [ 評価基準 ]GR ツールにて算出 ( 一部、定性的に評価 )

地域の RECO 環境循環システム.. 小松電子株式会社

「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和 53 年、環境庁告示第 38 号)に規定する方法のう ちオゾンを用いる化学発光法に基づく自動測